株式会社大和化学工業所様-中間報告インタビュー
株式会社大和化学工業所様 中間インタビュー
代表取締役 プロジェクト責任者 大谷 正樹氏(中央右側)
自己紹介と事業の説明をお願いします。
株式会社大和化学工業所の代表、大谷と申します。大学卒業後、機械メーカーの研究開発部門で設計業務をしていましたが、父が手掛けていたプラスチック成形品の商売に興味を持ち、29歳で家業を継ぐ決意をしました。それから25年間、社長として会社を運営しています。
当社は創業から55年を迎え、法人化を果たしたのは1988年。その後、有限会社から株式会社へと法人形態を変更し、現在に至ります。私が社長として最も力を入れてきたのは、利益率の改善と効率化の推進です。特に「自動化」にこだわり、普通の業務であれば1人で2台の機械を担当するところ、当社では3人で10台を運転する体制を実現しました。これにより、効率的で高利益体質の会社へと変革を遂げることができました。
事業内容としては、プラスチック成形が主力で、60トンの小型機から330トンの大型機まで、さまざまな機械を揃えております。これにより、少量生産から大量生産まで、多様なお客様のニーズに応えられる体制を整えています。特に、家庭用品に多く使用される肉厚ブラシの成形が得意で、企画から設計、金型の手配、成形、植毛、組み立て、出荷まで一貫して手掛ける「トータルプロデュース」を行っています。
弊社の強みは、幅広い業務に対応できる柔軟さと、「なんでもできる」とお客様に信頼いただけることです。困ったことがあれば、どこからでもサポートを提供するというスタンスで仕事をしています。このような姿勢で、多くのお客様に信頼されてきたと自負しています。
なぜこのプログラムに参加することに決めたのですか?
DXという言葉は聞いたことがありましたが、実際にやろうと思っても、三日坊主になってしまうのではないかと感じていました。また、自分だけの知識で推進する自信もなく、どうすべきか迷っていたところ、和歌山県の事業としてこのプログラムの話を聞きました。支援者がいるのであれば、うちでも何かできるのではないかと思ったのがきっかけです。社内では、スケジュールの共有がなかったり、手書きで指示を出すために抜け漏れが頻繁に起きていました。こうした状況を改善するために、デジタル化された現場を見学し、情報を効率的に共有できる体制を作らなければならないと強く感じていました。今やらなければ取り残されてしまうという危機感もありました。
プログラムに参加する前に感じていたことはありますか?
自動化を進めてきた中で、DXについては正直なところ、イメージのギャップを感じていました。特に驚いたのは、ローコードでシステムを開発できるという点です。これまでシステム導入にはかなりの費用がかかると考えていたのですが、Trelloの無料体験をしてみて、こんなに簡単に触れるものかと驚きました。最近のローコードツールは本当に進化しており、低価格で簡単に導入できる点が非常に便利だと思っています。
本プログラムの中間地点を迎えて、どのような変化がありましたか?
プログラムを通じて、担当者が実際にツールを使っている様子を見て、彼の中での変化を感じました。最初は「本当にできるのか?」と不安に思っていたものの、数ヶ月を経て、今は「できるかもしれない」と感じています。私が一番恐れていたのは、あまりにも難しいことをしすぎて従業員がついてこれなくなることでした。実際に、kintoneをタブレットで触ってもらったとき、使いこなせない従業員が多かったのですが、徐々にそれほど難しいものではないと感じています。このままDXを進めていけそうだという手応えを感じています。
それらの課題を解決するため、どのように工夫されましたか?
今後直面しそうな課題は、現場の変化についていけるかどうかです。例えば、チャットにファイルを送っても、内容を確認しない人もいます。こうした現実がDX推進の壁になっていると感じています。DXを進めるためには、情報をデジタル化しても、それが全員に届き、理解される必要があります。社員教育や意識づけが重要で、毎月各ツールの担当者を決めて、その人たちに触る時間を作ってもらうようにしています。また、1on1でフォローしながら進めることも大切だと感じています。
本プログラムの中間地点を迎えて、何か具体的な成果や変化はありましたか?
TrelloやNotionなどのツールを実際に触ってみて、弊社に合ったツールが見えてきました。最初は大学生の娘にNotionを教えてもらい、課金して使ってみました。その後、プログラムでNotionの話が出てきて、驚きました。ただ、ツールをあちこちに分散させてしまうと、従業員が混乱する可能性があり、最初の段階でツールをしっかり選定することが重要だと感じました。プログラムを通じて、PoC(実証実験)を実施できる点が非常にありがたいと感じています。
現在進めているDX推進から、新しいビジネス機会や可能性はありますか?
実は私、みかん作りを30年間続けているんです。今年から、大和化学でみかん事業部を立ち上げました。
DXが農業にも活用できると信じており、将来的には農業改革の一助になるのではないかと思っています。具体的には、農業の生産時期には従業員に農業を手伝ってもらい、それ以外の時期に工場で働いてもらうといったアイデアを持っています。和歌山県では人口減少が進んでおり、地域活性化のためにも、DXを使って新しい雇用を生むことができるのではないかと考えています。
DX推進が地方企業の活性化にどう貢献すると思いますか?
まずは第一歩を踏み出すことが重要です。「やろう」という強い気持ちを持ち続けることが大切だと思います。中小企業では自社だけでDXを進めるのは難しいので、県庁などの支援を受けながら進めていくことが必要です。今回の取り組みは非常に効果的なアプローチだと思います。
これからDXを始めようとしている企業に対して、アドバイスをお願いします。
ツールを導入するだけではなく、意識づけがないと意味がありません。誰も使わなければ、最終的な成果には繋がりません。最終的に求める収益性の向上を目指し、数字でその効果を見える状態にすることが大切です。DXが進むことで、コミュニケーションや仕事の進め方が円滑になると実感しています。そして、農業のDXも実現したいですね(笑)。
代表取締役 プロジェクト責任者 大谷 正樹氏(中央)